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伊奈町

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同和問題の早期解決を目指して

[2013年3月5日]

ID:1139

 被差別部落の人々が人間の権利と尊厳を獲得し、自らの力と団結によって解放をめざした、日本で最初の人権宣言である「水平社宣言」がされてから100年が経過しましたが、同和問題については、未だに解決されていません。日本固有の人権問題である「部落問題(同和問題)」について、どうすれば解決するか、みんなで考えましょう。

同和問題を考える

正しく知ることが重要

 多くの人が、同和問題を「ひとごと」と考えているかもしれません。なるべく触れないようにしておこう、という人もいるようです。

 よく、「わざわざ寝た子を起こすことはない。ほおっておけば、差別は自然になくなるのではないか」という意見が聞かれます。しかし、本当にそうでしょうか。

 差別をなくすためには、私たち一人ひとりが同和問題を正しく理解することが大切です。問題を解決することは、まず問題をよく知ることから始まるはずです。ふだんから正しい知識を身につけていれば、いざ問題に出会ったときに正しく対応することができます。

 2002(平成14年)3月に閣議決定された「人権教育・啓発に関する基本計画」でも、同和問題について「各人権課題に対する取組」の中で課題の一つとして取り上げています。

 同和問題は、私たちにとって身近で、重要な人権課題の一つなのです。

同和問題とは

日本固有の人権問題

「人権の世紀」と呼ばれる21世紀。

 何世紀も前に生み出され、いまだに残っている日本固有の人権問題があります。

 それが同和問題です。

 同和問題とは、同和地区と呼ばれる特定の地域の出身であることや、そこに住んでいることを理由に、結婚を反対されたり、就職ができなかったり、日常生活の上でさまざまな差別を受けるという問題です。

 このような問題は、憲法がすべての国民に保障している基本的人権が侵害されている人権問題であり、憲法で定めている基本的人権の尊重に反することで、重大な人権侵害です。

 同和問題はかつての日本の歴史過程の中で生み出された差別が、現代社会にいまだに残っているという問題です。昔ながらの因習的な差別意識が一部に残っていることと同時に、新たな差別意識を生む新しい要因があることも指摘されています。

 同和問題は決して過去の問題ではありません。いまだに残る差別意識を解消するために私たち一人ひとりが自らの課題として取り組む必要があります。

同和問題の現状

まだ残る差別意識

 同和地区と他の地域との環境の違いは、長年にわたる国や地方公共団体などによるさまざまな取り組みの結果、相当程度解消されました。しかし、一方では、身元調査や結婚・就職差別などにみられるように、一部の人の差別意識はまだ解消されていません。今なお根強く残っている差別意識を解消するために、人権という観点から、啓発を進めることが重要です。

結婚差別

 例えば、あなたが自分の生まれた故郷を結婚相手に言えないとしたらどうでしょうか。

 出身地を理由に結婚を反対されたり、婚約中にこっそり身元調査をされたらどう思いますか。

 2017(平成29)年に内閣府が行った「人権擁護に関する世論調査」では、「同和問題に関し、現在、どのような人権問題が起きていると思うか」という問いに対して一番多かった答えが「結婚問題で周囲が反対すること」でした。

 結婚は人生の大きな節目ですから、それが差別によって破壊されてしまえば当事者の心は大きく傷つきます。

 ふだん「自分は差別しているつもりはない」という人でも、いざ身内の問題になると正しい判断ができなくなることがあります。結婚差別問題は、まさしく一人ひとりの人権尊重意識が試される問題と言えます。

就職差別

 1975(昭和50)年ごろ、全国の同和地区の所在地などを記載したとされる冊子が発行され、相当数の企業が購入していたことがわかり、大きな社会問題となりました。

 採用選考にあたり、同和地区出身かどうかを調べたりすることは、まさに重大な人権侵害です。能力と適正に応じて自由に職業を選ぶ権利は、すべての人に保障されています。

 公正採用は企業にとって、人権に対する取組への第一歩です。

差別表現

 同和問題に関して起こっている問題として、結婚や就職問題のほかに、「差別的な言動をすること」「インターネットを利用して差別的な情報を掲載すること」「差別的落書きをすること」などを挙げる人も多くいます。

 特に最近は、インターネットを利用した差別表現の流布が大きな問題となっていますが、差別的な落書きも含めて、匿名でそうした行為が行われるところが悪質です。

えせ同和行為

 いかにも同和問題の解決に努力しているように装って、不当な寄付を募ったり、高額な書籍を売りつけたりといった行為を、「えせ同和行為」といいます。示談金などと称して不当な金銭を要求することも同様です。あたかも差別解消運動であるかのように見せかけて行われることが多いため、同和問題の解消に真剣に取り組んでいる民間運動団体に対するイメージを損ね、ひいては同和問題に対する誤った認識を植え付けかねません。
 このような行為に応じてはなりません。
 えせ同和行為排除の対象となるのは、当該「行為そのもの」です。
 えせ同和行為排除の目的は、不当な行為の排除と同時に、新たな差別意識の発生を防止し、同和問題を解決するところにあります。

 

同和問題の解決に向けて

 2017(平成29)年に内閣府が行った「人権擁護に関する世論調査」で、「同和問題を解消するために、今後どうすればよいと思うか」という問いに対し、一番多かった答えが「人権尊重の意識を一人ひとりがもっと自覚すべき」でした。地域や家庭、学校、職場のそれぞれで、同和問題をはじめとした人権問題を正しく理解していくための啓発活動に取り組んでいくことが必要です。 

 そして、私たち一人ひとりが、同和問題について避けて通ろうとせず、自由に意見を交換し合い、偏見を持たずに正しい知識を持つことが大切です。同和問題の解決は憲法の基本的人権の実現を目指すことであり、すべての国民にとって自分自身の課題であることを忘れてはなりません。

お問い合わせ

伊奈町人権推進課人権・同和対策係

電話: 048-721-2111(内線2241)

ファクス: 048-721-2136

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