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大山の森

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 KDDI小室受信所は、昭和八年十一月、大山の地に進出してきましたが、その昔、この付近一帯は昼でもなお薄暗い森になっていました。

 森の奥には、ぼろぼろにこわれかけた避病院の建物がありました。また、その近くに古寺の跡があり、「董酒山門に入るを許さず」という、腐れかけた標柱と、朽ちはてて今にも倒れそうな鐘楼のみが、草むらの中に立っていました。そして、山門前にあったといわれている大きな松だけが葉を茂らせ、枝を鳴らしていたのです。

 この一帯は、太陽が沈むと、野生動物達の天国ともなり、狸、狐、いたちなどが飛びまわる無気味な所でした。また、奥深い森の中には、赤と青といわれていた浮浪人の大男が住みついていて、昼間でも、とても一人では歩けない、こわい所であったといわれていました。

大山の森

 ここには、オトカ(狐)に化かされた話があります。

 ある人が、やむを得ぬ用事で森の中ほどまで来た時、突然きれいな娘が現れ、「森の中は暗くて迷いやすいから、私が案内してあげます。」と親切に言ってくれたそうです。

 ちょうど心細くなっていたところなので、「これはありがたい。」と思って後をついて行ったのですが、いつになっても家に帰ることができません。

 結局、一晩中森の中を歩き廻り、夜が明けて気が付くと、夜露でずぶぬれになって、古寺の跡に立っていたということです。

KDDIの桜並木

(写真)KDDIの桜並木

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