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丸山沼の大蛇

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  小室村の、あるおじさんは、魚とりが大好きでした。

 あるとき、おじさんは、いつものように、網と銛を持って丸山沼に舟を浮かべ、魚をとっていました。

 しかし、その日はどうしたことか、魚はサッパリとれません。あきらめてたばこを一服していると、向こうのまこもの茂みの中から、水を切って大蛇が泳いで来るではありませんか。

 よせばよいのに、おじさんは、通り過ぎようとした大蛇の背中を、骨も砕けよとばかりに、舟竿で殴ったのです。

 ところが、大蛇は死ぬどころか、その竿にぐるぐる巻き付いて、手元に向かって来るではありませんか。

 さすがのおじさんもびっくりしましたが、とっさに舟の中にあった草刈り鎌を取って、舟の中に半ば入りかけた大蛇の胴体を断ち切ろうとしました。

 しかし、一度ではたたき切れず、大蛇は苦しみながらも舟の中に転がり込んでしまったのです。

 二度目の鎌でやっと蛇の体は切れたのですが、大蛇は二つに切られてもまだ動いています。しかも、鎌は、力を入れすぎたあまり、先が舟底に突き刺さってしまい、すぐには抜けません。おまけに無理に抜こうとしたため、鎌の首が折れてしまったのです。

 そこで、仕方なく舟の水かき道具で力まかせにたたきのめし、やっとグッタリした大蛇を沼に投げ込むことができたそうです。

 このおじさんは、体も大きいし力持ちということで小室村でも有名な人でしたが、この時ばかりはよほどてこずったらしく、「丸山沼には大きな蛇がいた」と、ギョロギョロした目で繰り返し繰り返し話をしたといいます。

丸山沼の大蛇

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