埋蔵文化財保護へのご理解とご協力をお願いします
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伊奈町の埋蔵文化財について
伊奈町はその大部分が大宮台地上に立地しており、東側に綾瀬川、西側に原市沼川が流れ、沖積低地を形成しています。町内には、埼玉県指定史跡「伊奈氏屋敷跡」や「小貝戸貝塚」、埼玉県選定重要遺跡「大山遺跡」をはじめ、およそ70ヶ所の埋蔵文化財包蔵地があり、これらの遺跡の多くが縄文時代から古墳時代の遺跡です。
これまでに多くの発掘調査を伊奈町でも実施してきました。その結果、多数の住居跡や溝跡、井戸跡などが確認され、土器や石器、木製品、装飾品などの遺物が見つかり、当時の人々の暮らしが明らかになってきました。とくに本上遺跡からは「環状盛土遺構」と呼ばれる、全国でもめずらしい遺構が確認されており、当時の人々が長い年月、同じ場所で生活していたことがわかっています。
これらの埋蔵文化財は、伊奈町はもちろん、地域の歴史や文化の成り立ちを理解する上で欠くことのできない国民共有の貴重な歴史的遺産であり、一度失われてしまうと二度と元には戻りません。そのため、将来の文化向上・発展の基礎をなすものとして「文化財保護法」で大切に守られています。
開発に伴う発掘調査(本上遺跡 第2次調査)
保存目的のための確認調査(伊奈氏屋敷跡 二の丸跡)
埋蔵文化財とは…
埋蔵文化財とは、「土地に埋蔵されている文化財」を総称した呼び方であり、埋蔵文化財は大きく遺跡と遺物に分けられます。
遺跡とは、集落跡や貝塚、古墳、館跡など過去の人々の生活の痕跡が残されている場所(=土地と切り離すことのできないもの)のことを指します。
とくに住居跡や柱穴などを「遺構」と呼びます。
住居跡(諏訪久保遺跡)
遺物とは、石器、土器、金属器、木器、骨角器などのことで、遺跡から出土するものを指します。
出土した遺物(本上遺跡)
また、これら埋蔵文化財を包蔵する土地のことを「埋蔵文化財包蔵地」と呼びます。埋蔵文化財包蔵地は下記のような遺跡分布地図や遺跡台帳で管理され、その周知を図っています。
伊奈町遺跡分布地図
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埋蔵文化財包蔵地内での開発行為について
埋蔵文化財包蔵地内で土木工事等(=開発行為)(※1)を行う場合は、文化財保護法により「埋蔵文化財発掘(※2)の届出」が義務付けられており、試掘調査の実施が必要となります(試掘調査はすべて公費により実施しています)。
試掘調査とは、対象地に溝を掘り、遺構や遺物の有無を確認するための調査です。発掘調査に必要な期間や費用を積算するためにも重要な調査となりますので、ご協力よろしくお願いします。
また、埋蔵文化財包蔵地以外の場所から開発行為により、新たに埋蔵文化財を発見した場合も文化財保護法の摘要を受けますので、お手数お掛けしますが生涯学習課まで御連絡ください。
※1 土木工事等(=開発行為)とは、個人住宅・集合住宅・店舗の建築、宅地造成、道路・駐車場の建設、農地改良、土砂採取をは
じめ、掘削を伴う全ての行為を指します。
※2 この場合の「発掘」とは「発掘調査」の意味ではなく、「土地を掘削する」の意味です。
個人専用住宅建設に伴う試掘調査
埋蔵文化財の公開
埋蔵文化財は貴重な国民共有の財産であるため、大切に保存するとともに、できるだけ公開するなど活用に努める必要があります。
そのため、伊奈町ではこれまでに町教育委員会が実施した発掘調査の成果を発掘調査報告書としてまとめ、郷土資料館へ来館された方に御覧いただけるよう読書スペースへ報告書を所蔵したり、町外の方にも御活用していただけるよう奈良文化財研究所「全国遺跡報告総覧」(別ウインドウで開く)上で電子データを公開するなど、広く周知することに努めています。また、試掘調査や発掘調査で出土した遺物についても、洗浄などの整理作業終了後、郷土資料館での展示や県立博物館への貸出、公民館講座など各種イベントでの利用など、活用にも努めています。
埋蔵文化財の保護について、皆様のご理解とご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
出土遺物の整理
企画展 展示の様子
お問い合わせ
伊奈町役場生涯学習課文化財・町史係
電話: 048-721-2111(内線2543,2546)
ファクス: 048-721-4851
電話番号のかけ間違いにご注意ください!