ページの先頭です
伊奈町

スマートフォン表示用の情報をスキップ

人間国宝 田口善国氏について

[2024年2月21日]

ID:8079

 田口善国氏(大正12年(1923年)3月1日~平成10年(1998年)11月28日)は、漆芸家で、平成元年に重要無形文化財(人間国宝)「蒔絵」保持者に認定され、平成3年に伊奈町名誉町民となりました。 蒔絵とは、我が国において特に発達した漆工芸の加飾法の一つで、国内における歴史は奈良時代まで遡るとされ、漆を塗って仕上げた器物の表面に絵漆で文様を描き、乾かないうちに金、銀粉や乾漆粉などを蒔きつけて加飾する技法です。 田口氏の作品は、伝統的な蒔絵の技法に螺鈿(らでん:貝による加飾)などの高度な技術を駆使し、斬新な意匠で作成されています。

〇田口氏の生涯

 大正12年(1923)3月 港区麻布本村町に父健次郎(漢方医)、母ナミエの長男として生まれる。本名・善次郎。結婚後、渋谷区羽沢町に居住し、1男1女を授かる。昭和55年に上尾市より伊奈町大針に住所を移した。

 昭和12年(1937)14歳の時、滝田精三に漆芸の基礎を学び、その後、松田権六に蒔絵、奥村土牛に日本画、吉野富雄に古美術、前田氏實に大和絵を学んだ。

 昭和21年(1946)23歳の時、第2回日展に「風炉先屏風 みのりの朝」を出品したのをはじめ、多くの作品を制作・出品し、数々の賞を受けた。

 後進の育成にも力を注ぎ、東京芸術大学で教授を務めたほか、香川県漆芸研究所、石川県立輪島漆芸術研究所で講師を歴任、沖縄県浦添市美術館においては、漆芸調査保存修理を指導した。

  また、文化財保護審議会第一専門調査会専門委員も務めた。復元・修理計画にも参加しており、国宝日光東照宮拝殿・蒔絵大扉復元製作、国宝中尊寺金色堂復元修理、大倉集古館所蔵「夾紵大鑑」(秦時代・重要美術品、漆工芸)の修理をおこなった。

 昭和60年(1985年)、62歳の時には紫綬褒賞を受章し、平成元年(1989年)、66歳の時に重要無形文化財「蒔絵」の技術保持者(人間国宝)に認定された。

 平成3年(1991)68歳の時、伊奈町名誉町民となる。

 平成10年(1998)11月、75歳で逝去。勲四等旭日小綬賞及び従四位を受けた。


〇主な出品



  玉文蒔絵指水
  昭和50年
  第22回日本伝統工芸展出品




  変り市松蒔絵椀
  平成10年
  文化財漆椀展及び伝統工芸新作展出品




  栗の山路 割貝蒔絵合子
  平成4年
  第39回日本伝統工芸展出品




  蒔絵切貝棗「三色すみれ」
  平成10年
  第16回日本伝統漆芸展出品


お問い合わせ

伊奈町生涯学習課文化財・町史係

電話: 048-721-2111(内線2543,2546)

ファクス: 048-721-4851

電話番号のかけ間違いにご注意ください!

お問い合わせフォーム